焼けとりの工程

千葉県習志野市に拠点を構えております株式会社イシバシでは、日々様々な医療機器メーカー様向けや製粉メーカー様向けのステンレス製品を製作しています。

ステンレス製のホッパーなどはステンレスの板を旋盤作業で切り出し、そして筒状などに曲げて、溶接し、鏡面処理や梨地加工といった処理をして仕上げていきます。

ステンレス加工と言いますと、溶接工による溶接作業が最初に思い浮かべるかと思います。しかし溶接して、すぐに鏡面処理などの工程には進めません。
上の写真の赤丸の部分に黒い点が見えます。これは溶接によって生まれた溶接焼け(スケール)です。

一見、内部まで焼けているように見えますが、実際は表面のみ焼けているため、削り取ることもできます。しかし、ただ削り取るとこの部分から腐食が起こります。

ステンレスは錆びにくい金属として知られていますが、それは表面に不動態皮膜という非常に薄い膜がコーディングされています。この膜が水分や酸などからステンレスを守るため錆びにくくなります。この皮膜は溶接による高温で破壊されてしまいます。焼けの部分は皮膜がない状態ですので、焼けを削り取るだけではそこから腐食が始まってしまいます。
腐食を防ぐために、被膜の再生が必要になります。再生方法はいくつかありますが、イシバシでは電解法による作業をしています。電解液を焼けの部分に塗り、電気を通すことで焼けきれいに落ち、さらに化学反応により不動態皮膜が再生されます。

地味な作業ではありますが、製品の耐久性に関わることですので、丁寧に作業しています。このような細かい作業をひとつひとつ経てステンレス製品が完成します。

イシバシでは今後も業務拡大を予定しており随時、技術工を募集いたしますので、募集開始いたしましたらぜひとも皆様のご応募お待ちしています。